維新の文書交通滞在費マネーロンダリングが発覚

先日の日本記者クラブ主催の与野党7党、党首討論会はご覧になられましたでしょうか?

維新の松井一郎代表が共産党の志位委員長に「身を切る改革」で噛みつき、逆に彼らの不勉強を指摘され完全に返り討ちにあうという展開がありました。

簡単に説明すると…

松井一郎(維新)は、国会議員が毎月100万円支給されている「文書通信交通滞在費」ついてブラックボックスで既得権益とし、
それを維新は自主的に領収書公開しているとして「身を切る改革」をアピール

その上で、共産党の志位委員長に過去の党首討論で「今後公開する」と答えたと指摘し
「今のところ知らぬ存ぜぬで全く実行されていない。志位さんの公約は、そういう軽いものか」と得意満面で批判。

しかし志位委員長にあっけなく論破されるのである。

「共産党ウオッチャーで有名な松井さんがご存じないのは驚いた」と皮肉られ、既に共産党がホームページで使途を公開していることを指摘され、松井一郎の不勉強がただただ露呈することに。

さらに志位委員長は返す刀で「我々は政党交付金自体も受け取りを拒否している」とし、松井・維新に身を切る改革なら政党交付金を受け取らなければどうか?と返されるのであった。

さらには維新の議員(杉本和巳衆院議員=維新・比例東海)が「文書交通滞在費」100万円を全額そのまま自身の政治団体に寄付していることを指摘され、こんなものはブラックボックスそのものでなんの公開にもなっていないことを指摘される。

 

完膚なきまでに論破されたのでありました。

討論会ではここまでであるが、話はここで終わらない。
赤旗が、ではと、維新の公開している文書交通滞在費の領収書を精査。
完全に藪蛇で追求をされる展開に。

 

●文書交通滞在費の自身の政治団体への寄付行為の問題点

文書交通滞在費は、あくまで議員活動の必要に際し使われるために税金から支給されている予算である。
ですから、これで選挙活動しててはおかしいし、使途には限度がある。

しかし、これを全額自身の政治団体への寄付とすると金の名目が変わってしまう。
お金に名前は書いていないので、つまりこの時点でフリーハンドに使える資金に変貌してしまう。

これは悪質なマネーロンダリングである。
議員活動のために血税から支払われているものを搾取するものと言える。
身を切る改革どころか、悪質な税金泥棒といえる。

SNSを見ると「自分から自分で同じ名前」とか「証紙がどうこう」とかという批判の声あるが、そんなところが論点ではないのです。問題点はマネーロンダリングその一点です。
(貧乏なひとり政治団体が活動資金のため自分で自分の団体に寄付するのなんて当たり前ですし)

 

文書交通滞在費の公開というが、その結果分かったのは、文書交通滞在費を自身の政治団体に寄付することで名目を付け替え、真にブラックボックスのフリーハンドな金に換えるという、維新の悪質なマネーロンダリングでしたというオチ。

誰も調べないと思って、なんとも悪質な喧伝をするものです。

身を切る改革が聞いてあきれる。税金に寄生する白アリは維新ではないか。

 

 

●文書交通滞在費のマネロンの実態を解説

政治資金の収支報告書と維新の公開している文書交通滞在費の公開とを見比べると全員がこのマネーロンダリングをしている実態が分かる。

志位氏が公開討論会であげた議員のような全額そのまま政党支部に「寄付」としている議員もおり、他の議員もその大半を同様に「寄付」してマネーロンダリングをしている。

 

例を挙げよう。

片山虎之助・維新共同代表を責任者として例に挙げる。

 

国の政治団体の政治資金報告書は最新の公開が平成29年(2017年)分なので、それに対応する同年の維新の文書交通費公開内容を比較する。

 

片山虎之助 平成29年1月 文書交通滞在費 情報公開
https://o-ishin.jp/bunsho/pdf/2017/01/201701_katayamatoranosuke2.pdf

 

100万円の文書交通滞在費のうち、91万4千700円が「人件費」「事務所賃料」として政党支部に寄付となっている。

 

 

では片山虎之助の政治団体の資金報告はどうなっているのか?

 

平成29年分 大阪維新の会参議院比例区第1支部

http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/SS20181130/0044200018.pdf

見よ、この90万円前後の金が毎月寄付されている様子を。

 

 

 

 

見てみるとおかしいところがある。上記29年1月分は91万4700円が政党支部に寄付されていることが正しく表記されている。

ところが、平成29年5月分の文書交通滞在費は76万2683円が支部に寄付されているはずが、掲載されていない。この金はどこへ行ったのか?

 

 

 

片山虎之助 平成29年5月 文書交通滞在費 情報公開
https://o-ishin.jp/news/bunsho/2017/images/4daa38811f2af774fbdec7040afb55206d2b3783.pdf

この5月の寄付はどこへいったのでしょう?

総務省公開の政治資金の報告書の平成29年のものでは、この金の掲載が無い。
全く謎であり、この時点で既に情報公開できてないのでは?

 

 

 

なお、片山虎之助はまだましである。息子を兵庫で国会議員にしているのであるが、

片山大介の公開情報はもっとわかりやすい。(維新が嫌う世襲じゃないの?)

片山大介の平成29年の12月の文書交通滞在費公開をみてみよう。

 

片山大介 平成29年12月 文書交通滞在費 情報公開
https://o-ishin.jp/news/bunsho/2018/images/9d65dbce12db5b5659a3c5f643938d4638c8af47.pdf

 

彼は、政党支部と資金管理団体「片山大介を応援する会」にその両方に文書交通滞在費を割って寄付している。

平成29年 片山大介を応援する会 政治資金報告
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/SS20181130/1009400012.pdf

事務所費は毎月2万6870円でしかなく、43万4088円の寄付の、全然「主な内訳」になっていない。

さらにはもう片方の寄付先の「政党支部」とは具体的にどれなのか?よくわからない。

 

このように、多くの金は寄付を通じ名目が変えられ、フリーハンドになってしまっているのが現実である。

よくこれで松井一郎はブラックボックスの文書滞在費を情報公開していると誇るものである。

 

 

●文書交通滞在費のマネロンをしている維新議員は全員?

全員大半を寄付に回している。

自分で自分に寄付している様子は領収書で明確に分かる。
中には100%の事例もある。

 

・足立康史

 

・東徹

・浅田均

 

・浦野靖人

・清水貴之

・片山虎之助

・森なつえ

森なつえは、自身の後援会に100万円丸ごと寄付となっている。

しかも森なつえのこの寄付の使途には「選挙費用として」とある。


これ文書交通滞在費ですよ?
国会議員の議員活動のためにみんなの税金から出してる金ですよ?
なぜそれが「主な内訳」維新の選挙に使われねばならないのか。
完全に目的外使途である。

身を切る改革どころか、税金泥棒ではないか?

 

 

実は、この維新のマネーロンダリングの手法は過去にも指摘がなされてきた。

朝日新聞2017年の記事

領収証いらない月100万円 国会議員、何に使うの?@朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/ASKDL3JZSKDLUTIL00Y.html

16年分の維新の衆参両院議員25人(前職を含む)の使途報告書を朝日新聞が分析した。その結果、前年からの繰り越しを含む総額2億8千万円のうち、64%にあたる1億8千万円が、議員本人の政治団体に寄付されていた。25人中8人は寄付が80%以上で、うち3人は90%を超えていた。

 

 

なにが身を切る改革なのか。

維新の言うことはいちいちパフォーマンスじみている。
そのアジテーションのうわっつらだけ聞いて感化される人だけを狙っているのだろう。
すなわち、市民を意図的な悪意を持って騙そうとしているのだ。

しかし実態はいつもこんな状況。
大阪における反維新陣営が維新の何に怒っているのか、そろそろ全国レベルで理解すべきであろう。