【政治ビラ検証1】府の財政再建したという嘘

金曜日、新聞折り込みで維新の政治活動ビラが配布されました。

中に4つの「大阪は今、こんなに進化しました!」という項目があり、全てにおいてデマや誇大広告であるため緊急に検証いたします。

 

大阪府の財政状況として、単年度収支が黒字であるとしてグラフを出しています

見れば明らかなように、維新以前でも順調に改善しており、最終年はほぼプラスマイナスゼロです。
そして維新以後の様子を見ると、ここ数年は財政収支は非常に悪化していることが分かります。

 

 

毎年発表される財政状況に関する中長期試算〔粗い試算〕を見てみると府の財政がいまだに危ういことが分かります。

注目すべきは平成24年7月のものです。

 

 

財政状況に関する中長期試算〔粗い試算〕 平成24年7月試算

http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/5403/00000000/chuuchoukishisan_20120731.pdf

地方債の償還の費用項目「公債費」が急激に増える時期が予想されるため、「平均化処理」をし、ピーク期を乗り越えるとしている。
ここでは3700億円~3800億円のピーク期を問題視し、3300億円程度に平均化すすことで、その年度の予算編成への悪影響を抑えようとしている。

その他には、臨時財政対策債等の償還財源の確保が課題とされている。

 

そして最新の平成31年2月版の同見通しを確認してみると、一見財政は計画通り改善しているように見えて「公債費」負担はとてつもなく拡大してしまっている
この試算平成25年版からは平均化処理済みのあとの数字を公債費欄には掲載するようになっているのですが、平成31年のものでピーク期をの値を見ると

平均化処理済みの数値で3800億円規模が並び、中には4000億円の大台を超えてしまっているのです。

 

財政状況に関する中長期試算〔粗い試算〕 平成31年2月試算

http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/5403/00000000/araisisan_h31.2.pdf

(クリックで拡大)

 

 

これがまだこの先に控える状況で、財政再建と言えますでしょうか?
ここで4000億円もの公債費の莫大な負担のせいで予算が組めないとなれば、補填のため新たな府債を発行することになります。
すると急激に実質公債費比率が悪化し、府の経営が危機に陥ります。

大阪府債IR情報
「大阪府の財政状況等について」(平成31年3月)

http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/27250/00209434/siryou.pdf

 

 

H20年2月~が橋下府政ですが府債全体としては横ばいで一向に府債総額は減っていないのです。

確かに減債基金の復元はしていっているが、一方で府債を発行し府債頼りの予算編成をしてきた実態がここからは分かります。

 

このいまだ危機的な府の財政を「財政再建」と称するのはおかしいのではないか。

自治体の会計は借金は黒字要素ですから、単年度黒字決算にそれほどの意味はありません。府債頼りでよければ黒字にすることは難しい話ではないのです。
しかし課題として挙げた公債費の負担はこれからやってくることは決まっている費用です。

 

 

万博の費用負担もさらにあるなか、都構想の移行コストに巨額をかける余裕など、今の大阪にはないはずであり、財政面からも都構想はありえないとなります。