吉村洋文・大阪府知事が2月27日「検査基準を府独自に国基準より拡大する!」とTwitterで表明。
マスコミ各社で、検査が行政に止められる!という事例が続々報じられ、それに反応したとみられる。
新型コロナの検査体制を強化する。検査基準を国基準より拡大する。さらに、明日から「医療機関向け新型コロナ受診検査相談窓口」を開設する。府本庁に専門医師を配置して対応する。検査ルートをこれまでの保健所に加えて、新たなルートを作る。全員に検査は無理だが、必要な検査を積極的に実施する。
— 吉村洋文(大阪府知事) (@hiroyoshimura) February 26, 2020
吉村知事の発信を追っているかたは、この表明に拍手喝采よりも「え?どういうこと?」と疑念を持ったはず。
吉村知事は、2月3日の時点で国定義の検査対象は生ぬるいとして、府独自に広げる!と表明しています。
新型コロナの拡大防止には、検査が重要だ。現在の国定義の検査対象範囲では狭すぎる。大阪は府市が一体で衛生研究所を統合し、機能を強化した。現在、大安研では1日40人分の検査が可能だ。そこで、国の検査対象範囲を超え、大阪独自基準として、府内18の保健所長が必要と認めた時は、検査を実施する。
— 吉村洋文(大阪府知事) (@hiroyoshimura) February 3, 2020
各メディアもこの自己矛盾には触れることなく報じていますが、これまでの検査の落ち度をきちんと批判しておくべきでしょう。
これまでの1日90件の検査能力があると表明しながら、1日0件検査の日があるなど、大きく検査能力余らせてきた批判の声を「国の責任」となすり付けようという卑劣な物言いではないか。
2月24日にも、「府は中国要件を外して」と独自基準であることを誇っていますし、そもそも大阪府は国基準でなく、あくまで府の基準でやっていたはずです。
今更「国基準が悪い」は成り立たない。
1月18日の第5回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議で発表した1月17日時点の検査実数見てもとても少なく、2月3日の発表はなんだったのか。
23日までのデータでも少々増えたとはいえ、公式に1日の検査能力90件というにはまだまだ少ない。
なお、国の基準というが、吉村府知事が2月3日に府独自基準検査を表明したように、国から自治体にそれまで来ていたのは統計調査への協力願うにおいての基準で、当然各自治体がその責任において住民守るための検査を制限されうるものではないでしょう。
また、国側も、2月12日の「新型コロナウイルス感染症対策本部(第7回)」にて、政府は要件に限定されることなく、各自治体の判断で一定の症状がある方に対して検査が可能であることを明確化しております。
国内サーベイランスについては、これまで、湖北省への渡航歴があるなどの要件に該当する方のみに限定した運用が現場で行われてきましたが、今般、こうした要件に限定されることなく、各自治体の判断で一定の症状がある方に対して検査が可能であることを明確化しました。
感染が懸念される人へのウイルス検査に関し、これまで湖北省に渡航歴があるなどの要件に限定してきた運用を見直し、地方自治体の判断で実施するよう要請した。
サーベイランス=つまり発生動向調査のお願いであり、実はあくまで統計調査のお願いが各自治体に出てたのみなのです。
当然自治体の住民保護のための権限を止めうるわけもなく、自治体首長が必要と判断すれば、吉村知事が2月3日に発言しているとおり、独自検査は可能なはずです。
統計への影響と言うなら、国に統計に出す検査分と、府独自に検査した分を切り分けておくことだって不可能ではない。
吉村府知事は責任回避に国をダシに使うべきではない。
真摯な反省をもって府の基準の再検証をすべきです。
これまでの「独自の府基準」で見落とされた事例は無いのか?早急に調査することは必須です。
それは府の独自基準として指示してきたのだから、国に責任などでなく、府の落ち度として真摯に取り組まねばならない。
反省無くして改善はない。