新型コロナウィルスの大阪府における発見事例は実質ゼロである。
唯一1名出ているのは、最初期に出た日本人初の感染事例である奈良の中国のバスツアーの運転手ですが、その同乗のバスガイドが大阪在住なので大阪にカウントされているというべきで、「大阪で感染した」と言える事案ではありません。
また、大阪の衛生研究所でのウィルス検査の体制が始まったのは1/31日よりなので、検査も国の国立感染症研究所に検体を運び検査している。
つまり、純粋に大阪において感染し、陽性患者を発見した事例は、今においてすら「ゼロ」なのです。
以下は2月25日のテレビ朝日モーニングショーでまとめられた全国の感染者リストである。
(C)テレビ朝日
大阪は上記バスガイド事例があるので1名となっているけれど、大阪で発生したとはいいがたく、大阪の研究所が検査で発見したわけでもなく、東京や愛知といった大都市圏に比べあまりにも少ない。
実際には武漢直行便があり、中国人旅行者の人気ナンバー1、特区民泊の9割が大阪なほどであるにもかかわらずである。
モーニングショーに出演の、公衆衛生学の白鴎大学の岡田晴恵特任教授は
「きちんと検査すれば」という前提をつけ「人口密度比になっていく」と語る。
いたずらに不安を煽るわけではないが、人口密度比になっていない大阪の状況は適正なのであろうか?
実際には現在1日90件の検査能力を衛生研究所が持ちながら、1日0件検査の日など並んできたように、検査能力を大きく余らせてきている実情もあり、取り組みに甘さはないのであろうか?
(出典:第5回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議(令和2年2月18日)より。
現在は堺市衛生研究所は20件になっているので、合計90件)
大阪府のホームページより最新の2月23日分検査結果統計はこうなっている。
ネットでの批判の声もあるのか、最近でこそ検査数増えてきたが検査件数あまりにも少ないように思われる。
2月3日には吉村洋文・府知事はこのような発言をしている。
「新型コロナの拡大防止には、検査が重要だ。現在の国定義の検査対象範囲では狭すぎる」
「大阪独自基準として、府内18の保健所長が必要と認めた時は、検査を実施する」
などと申しており、この力強い発言に安心した府民も多かろうと思います。
ところがその後も「検査ゼロ」日が並びます。
中国要件を除外ということは、実際の持病や症状ベースで検査対象を区分するのであろうと思いますが
大阪ほどの人口の都市で、発熱が続く高齢者というのはこんなに少ないのでしょうか?
吉村府知事が誇るまでもなく、既に厚労省は自治体判断の裁量を認めており、実際に地方衛生研究所にて何が検査されるかは自治体判断です。
(C)テレビ朝日
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さすがに大阪での陽性発見事例が実質ゼロには違和感あるかたも多いようで、検査要件の緩和を求める声があがっていますが、それに対し松井市長、吉村市長からの反論が本日相次いでいる。
積極的に大阪府の判断としてコロナウィルスの検査は行っているとのこと。
つまり、件数0だったり、大きく検査能力上限と開きがあるのは「単純に疑い事例がそれだけ」ということであるという。
過去記事の通り、2月17日時点で3000件の相談があるということだが、その中で新型コロナウィルスの検査すべきと判断しうる件はたったこれだけであり、しかも結果陽性はゼロというのが大阪の実情なのであるという。
これは国の判断などではなく、大阪の行政判断であると明言されています。
現在、他府県では続々武漢渡航歴や渡航者との接触歴の無い事案も検査し、陽性を発見しています。
しかしあれほど中国人観光客に片寄っていたのに、あくまで大阪には陽性者は居ないという見解なのです。
「積極的」というのは、
大阪観光客のデータを活かし、旅行者の集中地を割り出し、調査をし、風邪症状などのかたに検査をお願いするなど取り組むことが「積極的」かと思います。
中国人ばかりだった人気観光地とか、特区民泊の9割が大阪という事実とか、調べるべき個所はあるのでは?
現状の取組が「積極的」とは到底思えません。
検査能力余らせて0件というのはどうなのか?
医師の感染から大問題になった和歌山県の約150件という検査依頼を大阪府は依頼受けこなしたそうですが、足元の大阪の検査状況はこれでいいのでしょうか?