「反対派はどんどん死んでる」維新の高齢者愚弄まとめ

●都構想反対派はどんどん死んでいってるので有利発言

橋下徹が、前回の住民投票で高齢層に反対派が多かったので、それがどんどん死んでいってるから有利という趣旨のことを述べている。

 

橋下徹氏は、生出演した昨日8日の『とくダネ!』(フジテレビ)で、今回の選挙結果を平然とこう分析したのである。

「(大阪都構想に)反対していた年配の人がどんどん死んじゃったんですよ

これは、コメンテーターの作家・橋口いくよが、2015年の住民投票で都構想が否定された事実を指摘し「今回、年配の方が反対したのかそれとも若い人がたくさん投票されたのか。どちらだと思います」と聞いたことを受けた、橋下氏の発言だ。

当たり前だが、いかなる年齢層の人間も住民であり、「年配の人」もまた政治的意見を表明する有権者である。その有権者に対して「死んじゃったんですよ」と言い放つ姿には慄然とせざるをえない。
(中略)

しかも、橋下氏は続けて“大阪万博を実行しようと思えば役所の仕組みを変えていかなくてはならないということに有権者が気づいた”などとまくし立てたのち、結局、もう一度「そして年配の反対してきた人もどんどん死んじゃったから」と繰り返したのである。

自分に批判的な人々やメディアを「既得権益者の敵」に見立て、執拗に攻撃することで求心力につなげようとするのは橋下氏の政治家時代からの手法だが、今回、生放送で「年配の方が死んじゃったから」と口走る様を見るにつけ、この人は“早く死んじゃってかまわない”くらいにしか思っていないのではないか。そんな気さえしてくるのだ。

 

 

これは8日の「とくダネ!」であるが、橋下は別に口を滑らせたのではなく、いろんなところでこの「反対派死んでいってる論」を繰り返し述べており、自覚的です。

 

AbemaTVのNewsBAR橋下でも全く同じことを言っている。

反対してた人は今もう高齢者でどんどん死んじゃってるから。
大阪市は年間3万人死ぬんですから。
だから2015年でそれから4年経ってるから12万人死んでますから。

 

Twitterでも同じこと書いている

 

 

少なくとも反省も無くこんなことを3回は言ったり書いたりしている。

シルバーデモクラシーを煽りたいのかもしれないが、住民投票結果は決してシルバーデモクラシーといえるような結果ではない。この件については別記事でまたの機会に詳しく数字を分析したいと思うが、本稿では高齢者をバカにする維新政治の実態に触れておきたい。

 

●介護保険料の異常なアップ

維新市政では、橋下時代にも介護保険料のアップがあり、さらに吉村時代には全国でも突出したとんでもないアップがなされている。

介護保険料

来月改定 月6000円超65% 最高、大阪市7927円 共同通信全国調査

 

 

維新の会の市長の大阪市では、維新政治の下で介護保険料が大幅に値上げされてきました。

大阪市の介護保険料は、2000年が3381円であったのに対して、2011年は4780円、2019年には7927円になり、全国の市の中で最も高額になっています。

 

大阪市介護保険料 政令市で最高|NHK 関西のニュース

http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20180521/0000207.html

大阪市は、このままいけば、今から7年後の2025年度には、介護保険料の基準額が1万200円程度になると見込んでいて

 

 

こんな急激なアップとか、年金しか実入りの金無い中酷すぎる。

ここまでの急激なアップ、生活成り立たなくなる人もおられよう。

 

こちらには、介護保険料の長期滞納、試算差し押さえが急増しているデータが示されている。

人が死にますよ?

 

 

 

●29年までに待機高齢者ゼロ公約の嘘

2015年の大阪ダブル選挙で、吉村候補は「平成29年までに老人ホームを拡充し、待機老人ゼロにする」と息巻いていた。

これは応援演説で橋下徹も言いまくっていたので記憶のあるかたもおられるのでは?

 

 

このときの吉村候補の公示日の第一声書き起こし

特別養護老人ホームに入りたくても入れない高齢者の方がいらっしゃいます。平成29年までにこの特別養護老人ホーム、待機高齢者がゼロになる、というペースでしっかりと整備を進めています。大切なことは、私が言いたいことは、この選挙前に広く浅くばらまきをするということはできませんが、しっかりと浮いた財源で、本当に支援が必要な高齢者の方に行政のサポートをする。

 

就任会見でも。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151222-00000008-wordleaf-pol&p=2

 あとは待機高齢者の、これは予算の規定枠にもあるんですけれども。待機高齢者の皆さんもゼロにしていくというような。いわゆる特別養護老人ホームの整備についてはもう引き続き、平成29年度までにゼロにするような、そんな形でということに。

 

「2015秋の陣」と銘打たれた維新マニフェストのPDFより。

 

こんなことは当然実現できていません。

平成30年の年初の吉村市長挨拶(現在大阪市ホームページから閲覧不可)

ご覧の通り、この時点でも待機高齢者はゼロにはなっていません。

 

大阪市ホームページ

 

 

特別養護老人ホーム入所申込の状況

http://www.pref.osaka.lg.jp/koreishisetsu/tokuyounyusyo/index.html

こちらでは大阪府下の各自治体の入所申し込みをして待機状態の数が統計出ている。

大阪市についてはまだまだ待機高齢者がおり。29年までにゼロ人というにはほど遠い状況にある。

なお。28年に下がっているのは27年より国の制度が変わり要介護1、2の人が入れなくなったことによると考えられる。

 

 

 

では維新市政はどれほど特養設置に注力したのか?

市のホームページでは逆にコスト問題から在宅介護を推進する旨が書かれている。

全くあれだけ選挙で有権者の票を狙って釣った扇動繰り返したにしてはお粗末な対応と言わざるを得ない。

 

さらに、大阪府は特別養護老人ホームの新設補助金を年々減額してきている。

言ってることとやってることが伴っていない。

この実態を知らない人は「いいことしてる」と維新に期待してしまうのであろうが、その実態は欺瞞に満ちている。

 

●認知症対策に力入れると言いつつ弘済院の土地売却しマンションに

上記待機高齢者問題と関連し、名言していた29年も半ば過ぎたことで批判の声があることで言い訳に書いたのであろうが、

吉村市長(当時)が特別養護老人ホームの整備を急ピッチで進めていると説明している。「29年までに待機老人ゼロ」なんて煽ってた話とは縁遠いペースであり、こんなものは「急ピッチ」とは言いますまい。

 

さて、この言い訳めいたツィートに際し、話をすり替えようとしたのか「これからは認知症対策!」と軽薄なことを思いつきで書く。

 

 

これもまた欺瞞に満ちた発言である。

一見言ってることだけ表面聞くといいこと言ってるように聞こえるのが維新メソッド。

しかしその実どうなってるのか調べると言ってることとやってることが見あってない、矛盾しているのが毎度の話。

この件もまたそうなのである。

 

古江台の弘済院の土地が新たに売却されます。

 

弘済院は、大阪市立の施設で、病院、老人ホームなどがあります。大阪市が運営の見直しが行い、病院の建て替え、特別養護老人ホームの民間移譲、養護老人ホームの廃止などが進められています。(特別養護老人ホームと養護老人ホームは別の施設で、法律上も位置づけが異なります。)

売却される場所は敷地の西寄り。元々は「養護老人ホーム」がありましたが昨年廃止されています。隣接地には民間の施設がありましたが、売却されマンション「シャルマンフジスマート千里古江台センス・オブ・ワンダー」と一戸建て住宅「プラウドシーズン千里古江台」となっています。(プラウドは分譲中)。

 

このときの市の弘済院への方針はこうであった。

 

●弘済院は、附属病院と介護施設が連携し、認知症に対する専門的な医療・介護の提供をはじめ、臨床研究、専門人材の育成、市民への情報発信などの施策を担っている
「民間でできることは民間で」の視点から経営形態の見直しにかかる基本的方向性を取りまとめ、事業継承(民間移譲)をめざしている

 

このように「身を切る改革」とコストカット視点ありきで、公費かけてやるという覚悟に欠けるのである。

 

さて、この弘済院の老人ホーム機能は潰す方向で維新政治は動いてい、併設する認知症研究対策の機能については市大に移転して跡地転売を計画していたが、これを住吉市民病院問題の跡地に持ってこようと頓珍漢な施策を吉村は表明

 

当初計画していた弘済院附属病院の現地建替えは中止し、住吉市民病院跡地に大阪市立大学の附属病院を誘致し、弘済院附属病院の認知症医療機能を移転することに関する検討を進める旨市長が表明(平成29年11月)

 

 

住吉市民病院問題については、これも一度別に記事を設けてきちんと説明する必要があるが

住吉市民病院は無駄として、府立病院に統合しようと維新市政で進めたが、同地である南部医療圏で分娩可能な産科医院の不足や、府立急性期と住吉市民病院は担う機能に違いがあり、代替しえないと反対の声が多く

跡地に民間病院誘致を市は目指すがたびたび頓挫、同地に医療空白を作る事態となっていた。

そのうえ、府の出した試算のコストが間違っており、統合よりも、平松市政当時の計画通り住吉市民病院の現地建て替えをしたほうが安上がりであったことが発覚という酷い話なのだ。

 

この問題に困っていた吉村は、ナイスアイデアとばかりに弘済院附属病院を住吉市民病院跡地に移転し、分娩医療を担わせようと言い出す。

いやいや、求められてたのは産科であり小児科であったのに、なぜ認知症など高齢者医療に特化した弘済院附属病院…

しかもそれを市大に担わせようというのも頓珍漢。住吉市民病院で特徴的だった福祉医療的性格や、弘済院附属病院の老齢介護的な部分、あくまで研究医療が本分の市大病院に担わせようというのは筋がおかしく

いかにもな吉村の思い付きだけの的外れな施策といえる。

 

 

住吉市民病院が実は現地建て替えのほうが安かったという府の数字偽装

 

 

 

住吉市民病院の担ってきた機能

 

 

老人ホームとセットであった弘済院附属病院をこんな無茶苦茶に弄んでおいて「認知症対策に取り組む」も酷いし

現地の貴重な分娩や小児医療の拠点であった住吉市民病院を潰しておいて「子育て世帯を支援」と言い放つのも酷い。

 

維新のうわっぺらの宣伝と、その実態の乖離をきちんと市民に知らせる必要がある。

 

 

 

●「敬老パスは維持します!敬老パスで私鉄も乗れ、東京まで行けるようにする」と選挙でデマ

橋下徹は平松邦夫と争った大阪市長選時に、地下鉄の敬老パス制度について、

敬老パス制度の維持と、それを私鉄にまで広げ拡充すること、さらには演説においてそれを用いて東京まで行けるようになるといったことを述べていた。

 

 

 

 

このときに橋下候補の選挙戦でのアピール内容とその後にはこちらのBlogが詳しい。

 

●市営地下鉄の敬老パス制度をJRや私鉄でも利用できるようにする。東京まで行けるように。

●敬老パスを維持する。「1ヶ月8万円」といった非常識な利用がされると持たないので、常識的な線での上限だけ設定する。

 

このような主張を演説でも維新のビラでもやってきた

 

しかし当選後橋下市政でやったことはといえば

 

・敬老パスの3000円負担+都度乗車に50円負担

・私鉄やJRに対応の話は一切触れることもなく任期終える

 

負担増の時の橋下の裏切りを報じる記事

 

橋下徹はこのとき、高齢者の引きこもりには繋がらないと豪語していたのであるが

結果としては、2012年度末に比べて2015年度末に利用者が72%減と、明らかに使い控えが起こってしまって、制度趣旨考えると大失敗になる。

その結果、吉村市政で慌てて3000円負担部分を廃止することになるという泥縄。

(しかもこれを今回の選挙戦では、吉村市政の成果!としてアピールし老人票を狙う悪質さ)

 

本来、橋下候補の公約であれば、問題は極端な高額を使う1%程度のごくごく少数の問題利用者の対策であり、大半の常識的な利用のかたへしわ寄せが来る対策は愚策であり、

吉村VS柳本の大阪市長選のときの柳本候補の敬老パス主張は

「3000円負担+毎回負担は無し。上限額設定」であった。

使い控え考えると、恐らくこれが最も負担少なくベターな常識的解であったはずだが、

柳本は敬老パスをタダにしようとしている!悪魔の所業!とばかりに、タダにするなんて主張ではないのにデマのレッテルを張られ続けた。

 

 

維新の本質を見抜け

大阪を正常化するためには、有権者が維新の嘘を見抜かないといけない。

しかし維新の毎度の「表向きいいこと言ってる風」に騙されてしまう有権者が後を絶たない。

大阪を守りたいみなさんは、愚直にその実態を暴き、訴えていくほかありません。