今後の大阪の大動脈になりうる鉄道路線「なにわ筋線」が正式に認可され、今後が期待される状況です。
これについて、松井一郎大阪市長、吉村洋文大阪府知事が「府市対立により頓挫してきた。維新のせいで進んだ」と都構想ストーリーに絡めた発信をしています。
しかしこれは事実とは言えません。
実際にはこの事業は府市対立が進まなかった原因ではありません。
こちらの新聞記事に詳しい経緯が先月掲載されました。
なにわ筋線、阪急がつなげた合意 JRと南海、長く対立
https://www.asahi.com/articles/ASK6S3G2YK6SPLFA002.html
こちらの産経の記事も経緯を詳しいです。
https://www.sankei.com/west/photos/170523/wst1705230019-p1.html
ただこの産経の記事は太田府知事時代から進んでいた一連の話であることが抜けています。
太田知事が会長の近畿開発促進協議会で、2007年6月、なにわ筋線を「大阪都心を南北に縦断する都市交通線として重要である」と位置づけて早期具体化を示しています。
2008年2月より橋下知事。橋下知事も必要性を同じく必要性を訴えました。
その後動かなかったのは、府市対立ではなく、採算性や、JR西と南海の協議が難航していたことが理由であることが上記朝日新聞の記事にあるとおりです。
府、市、JR、南海の四者協議が2008年以降始まったのですが、これは橋下知事だけのなにも成果でなく、太田府政からの一連の流れのなかにある大阪府市の取組です。もちろん都構想など関係がありません。
しかし、景気動向も関係がありますし、採算性の問題で数年橋下府政で頓挫。
その間、なにわ線の代わりに地下鉄・四つ橋線を阪急電鉄や南海電鉄と接続させる別の案を橋下知事が提案したりもありましたが、実現することなく数年に渡り停滞したままでした。
動き出した理由は経済状況。関空のLCC(格安航空)のヒットや円安誘導政策によるインバウンドの活況です。
「採算性が見込まれる」と協議が再開されたわけです。
しかしその後もなかなか進まない。ここは朝日の記事の通りでして、理由はJR西日本と南海電鉄の調整つかずです。
しかし、最近ここに阪急電鉄が加わり、十三駅を経由する新案を提示、それなら利害がみな合うということで急に具現化したのです。
維新があたかもこれが都構想の成果だとか、維新の成果だとか言っているのは事実ではありませんし
これまでの府の取組を全て我が物にするのも誇大広告が過ぎます。
冷静に考えれば分かるのでは?
府と市両方の首長を維新が取ったのは2011年のダブル選挙です。
なのにその後も遅々として進まなかったのです。
原因がそこでないことは明白ではないですか!
むしろ成果というならば、インバウンドブームによる経済状況の変化でしょう。
それは維新というよりも安倍政権の円安誘導しての観光誘致戦略が大きな影響を及ぼしているものです。
また関空のLCC(ピーチなど格安航空)ブームは、太田府政での関空二期工事の恩恵です。
関空はこのときの第二滑走路をLCC専用とし使えたことが大きな優位点です。
歴代の府政の歴史を捻じ曲げるべきではありません。
認めるべきところは認めねばなりませんし、太田府政も多くの成果を残しています。
都構想なんか関係無いです!