【政見放送検証4】暖かい給食実施が成果というデマ

吉村前市長は「暖かい給食の実施」と自身の市政を自画自賛していましたが、経緯を見ると成果と言えるようなものではないことが分かります。

 

2007年の大阪市長選挙では、中学校給食導入を公約に掲げた平松邦夫氏が当選。
任期の最後になって、平松市政で2012年度より選択制弁当給食方式での中学校給食を導入する予算を実現しました。
末期であったことで、予算立てはしたものの、大阪市長選で平松氏は橋下氏に敗れたため、開始時期は橋下市長時代となりました。

この送れには理由があり、給食実施には府下市町村に府から給食実施経費補助金が出るのだが、当時の橋下知事は大阪市にだけは出さないとしていました。
これは府民税も払ってる大阪市民にとっては不当なことで、橋下氏は自身が大阪市長になると府からの給食実施補助金を大阪市で受け取って給食実施をしている。

 

橋下知事が大阪市に対し補助金で差別をしていなければ、平松市政のうちに実施できたことでしょう。

またこの選択制給食実施時には問題も発生し、冷えていると不評で、利用率は低迷しました。

しかし橋下市政ではこの問題に抜本的な解決はせず、そのままこの不評な弁当給食を全員強制にしました。
当然不満は噴出し、学校によっては4割が残飯になるといった報道もありました。

大阪市立中 給食3割弱が食べ残し 全国平均の4倍

「給食、まずい」 中学生の相次ぐ不満に手こずる大阪市教委

大阪市教委は業者が弁当を届けるデリバリー方式を採用したが、食中毒防止などの理由から冷蔵保存された弁当に「おいしくない」と不満が噴出。「学校によっては多いときに4割近くが残飯になる」(市教委幹部)

それ以外にも異物混入事件が頻発するという問題が発生。

大阪市議会議事録より

平成26年第1回定例会(平成26年2・3月)-03月14日 北野市議

以下、問題点を3点指摘したいと思います。
1つ目は衛生問題。業者の調理・配膳のどの段階でかは不明ですが、虫、スポンジ、髪の毛など異物混入の事例が相次いで、教育こども委員会でも問題となりました。にもかかわらず、大阪市域内の業者は1社しかなく、ほかは市域外にあるということで、大阪市の保健所の立入検査ができないなど信じられない状況に対し、理事者の答弁は、健康に直接影響はないとデリバリー弁当同様の冷たいものでした。抜本的な対策が必要です。
2つ目は、アレルギー対応ができていないということです。食物アレルギーは直接生命の危険に及ぶことも広く知られており、現在の業者デリバリー弁当では個に対応できないことから、アレルギーを有する生徒は献立表の食品表示を見て家庭弁当持参を許されることから、全員喫食が前提の給食でありながら十分な対応ができている状態にはないことも問題であります。
3つ目は、費用面です。300円は食材費であり、調理費・配膳費など実際には税負担分が約200円あることは余り知られていないのが実情です。つまり、500円近い給食になるわけですが、家庭弁当でいえば500円の弁当であれば相当豪華なものがつくれますし、子供の発育状況などの個に応じた対応がきめ細かくできます。今後、どのように対応されるかが不明確です。

平成26年3月定例会常任委員会(教育こども・通常予算)-03月05 待場市議

先日のこの委員会で、食物アレルギー、またノロウイルス防止、それから異物混入で質疑をしました。しかし、委員会のほうからは歯切れの悪い答弁でありましたんで、もう一度質問したいと思います。
今、中学校給食は、4つの事業者のうち、3つの事業者が大阪市以外であります。それぞれの衛生監視などは、大阪市保健所が物を申せない状況であると。教育委員会学校保健課は、立入検査は報告程度で、強い権限は発揮できないようであります。教育委員会から異物混入の報告と衛生管理の指導・要望は行ったということですが、私どもは大阪市健康局の生活衛生課長名で、府の食の安全課などへ、ノロウイルス、食中毒防止に事寄せて依頼をお願いせざるを得ませんでした。
そこで、見ていただいたら、この資料、大変小さい字なんですが、4枚あります。4つの営業所ごとに書かれてまして、異物混入がこんだけあったということです。しかし、教育委員会にこの質問をしたいと言うと、資料は、戦時中の資料のように白抜きになってしまいました。昔は黒抜きやったんですが、ほとんど白抜きになってしまいました。
まず、業者名が消されました。区名も消されました。学校名も消されました。それから、措置の中でいっぱい穴があいてるのは、業者の名前を書いてるから、穴があいてるのが実情でございます。
月日だけ見ていただいたらええんですけれども、4月それから12月というのは給食が限られるんで、集中してるのはやっぱり9月が9件、10月が12件ありました。ほぼ5カ月で、1つの業者でこんだけの異物が入っておったということです。
区も集中してまして、区名消されましたけど、旭区なんか14件もありますし、東成区なんか8件もあったのが状況でございます。
事故の概要ですけど、ざっと見ていただいて、2番目に髪の毛が入ってたり--髪の毛が多いです、それから糸くずが入ってたり、それからずっと髪の毛、髪の毛で、ビニールの片があったり、虫が入ってたり、それから木くずのようなものが入ってたり、また髪の毛がずっとあって、コバエが入ってたり、虫が混入されてたり、アリのような虫が入ってたり、輪ゴムが入ってたりということで、こんだけ異物が入ってたんです。
報告のない学校も多数あると考えられます。なぜならば、私どもにこういうことがあるよと言ってきたのは、地元の生徒さん、民生委員・児童委員さんから、たびたび声が上がったんです。だけども、学校に問い合わせると、学校の教頭先生は口を濁してしまうわけです。教育委員会がやっぱり怖いんですね、地元の教頭先生は。だから、はっきりおっしゃらなかったんです。
たびたびあったんで、そして続くんで、いかがということを教育委員会に申し上げたら、やっとこの資料が出てきたんですが、今、お渡ししてるのは、このような白抜きでして、どこの事業者かはわからへんという状況であります。
そこで、残り3事業所も、数は少ないかもわかりませんが、同じような報告がなされてます。
私どもは、前回も申し上げたとおり、中学校給食というのは、この導入のために、關そして平松市政以来、十数年かけてきましたから、この中学校給食というのをとめるわけにはいきません。ただ、今のデリバリー方式は、あくまで最初の一歩でして、決して私どもは納得しておりません。

 

 

平成26年6月常任委員会(教育こども)-06月24日 待場市議

異物混入でありますけれども、もう1年前から答弁では改善を申し入れて、立入調査もやった。しかし、残念ながらなお発生が続いてまして、業者、会社の姿勢を問うという時期は、もう既に私は終わってるんではないかと思います。いろいろうちの会派の議員が各校へ回りましたけれども、この異物混入事件で、学校によっては1割の生徒がトラウマになってしまって手をつけないと。もう給食のふたさえあけないということもありますし、そのほかの学校でも大変残食が多いと聞いてます。委員会のこの異物混入の対応というのは、2階から目薬ではないかと、そのような実感すらいたします。
学校によっては、委員会を飛び越して、直接業者の管理職を呼び出して改善を求めるケースもあると聞いてます。改善が見られなければ、先ほどは契約解除は大変しんどいという話がありましたけども、これはもうその時期は過ぎてると、断固対応していくべきやと思いますがいかがでしょうか。

 

とんでもない頻度の異物混入事案が頻発しておりまして、報道によれば年間約300件以上に及んだ。

議事録の通り、待場市議などは業者の契約解除も必要と指摘してきているが、そのまま業者を変えず、継続をしました結果がこの有様です。

これはもはや虐待です。

 

同じく給食で異物混入事件が起こった生駒市の事例では、いったん給食を止めて原因対策を行っています。
しかし大阪市は止めずに継続しました。

異物混入相次ぐ 生駒市の学校給食12日再開、再発防止へ監視カメラも

 

上記議事録で待場市議も触れているが、実は全校での給食実施の費用試算は関市政のころからある。当時の給食問題についてのPDFに試算がある
(大阪市がサイト改修でPDF見えなくしてしまっている中の数字は2chにしかログが残っていない… https://www.logsoku.com/r/2ch.net/newsplus/1410870913/520)

 

【学校給食の実施方式別経費】
http://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/cmsfiles/contents/0000017/17315/siryougaiyou.pdf
◆初期経費
自校調理・・・・122億円
給食センター・・206億円
親子方式・・・・57億円
デリバリー・・・29億円

◆経常経費
自校調理・・・・24億円
給食センター・・19億円
親子方式・・・・24億円
デリバリー・・・19億円

 

本題ですが、では吉村市政では何をやったのでしょうか?

「あたたかい給食を導入」と誇ってらっしゃるが、これら大失敗を受け、小学校で作って運ぶ親子方式や、自校調理をやると方針の大展開をしたのです。

それに際し、いったん家庭弁当との選択制の方式に戻すというのです。

経常経費だけでなく、それぞれの給食方式には初期導入コストもかかるわけです。

 

それだけ無駄な費用が浪費されていることになり、これは成果と自慢するべきところでなく、維新政治の「とりあえずやってみる」という政治の失敗事例なのです。

 

準備もおろそかに全員給食と費用を浪費するのでなく、段階を踏んではじめから自校調理を目指すなどするべきだった見通しの甘さが露呈した案件でしかなく、これは吉村市政の成果として自画自賛するようなことではありません。