吉村前市長は、自身の政治成果として「児童虐待への対応」を自画自賛しましたが、これは欺瞞に満ちた発言です。
児童相談所設置において吉村市長は後ろ向きなことをしてきているのですから。
既に詳しく述べました、北部知児童相談所新設について、すぐに使える施設あるにも関わらず、3年もあとに送らせる措置をしています。
詳しくは上記の記事をご覧になっていただきたいですが、要点を述べると
「市民交流センターよどがわ」跡地という、学習室や体育館を備え、隣は公園という、児童を収容するには最適地がありながら
改修費だけで済むのに、新築費を検討に出し、ここを使うことを頑なに避けていたことが発覚。
別地に新設することで3年も空白期間ができることをしています。
本気で必要性を感じているのならばありえない対応です。
現在、松井一郎候補とともに「児童虐待問題に取り組む」ということを盛んにおっしゃっていますが、これまでの取り組みを見れば到底本気さは感じられません。
また児童相談所というものは、政令市には設置が義務づけられていますが、特別区や中核市には児童相談所設置義務とされていず、財源や職員確保が難点で設置が進んでいない状況があります。
つい先日、3月24日にもこのような新聞記事がi日経に出ました。
児相、財源・人材の壁 中核市など義務化見送り
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42837280T20C19A3EA5000/
自治体、資金面から児相設置に難色
中核市には都道府県が設けた児相があるケースが多い。54市のうち47市があてはまる。中核市市長会は1月に厚労省や自民党に渡した提言で、児相の設置促進に向けて「地域の特性が異なる。義務化ありきではなく、設置の後押しとなる十分な財政措置や専門的人材の育成・確保の支援によるものとする」よう訴えた。設置義務化への慎重な立場を示したものだ。
例えば、埼玉県内の中核市の川越、越谷、川口の3市にはいずれも県の児相が市内にある。さらに中核市が自前で児相を設置するには財源や人材確保の面で課題がある。越谷市子育て支援課は「自前の児相を設置するにはお金がかかる。今ある資産を生かして児相との連携を一層強化するのが現実的だ」と説明する。
現在政令市の大阪市では交付税措置もありその財源で2つの児童相談所を設置。さらに3つ目の北部児童相談所を上記の通り計画。
4つ目も大阪市の財源であれば十二分に可能なはずです。
ところが、都構想で政令市の大阪市を解体、特別区にするということは、極めて財源は減額します。
減るのですから、特別区よりずっと税源のある中核市ですら設置難しい中、児童相談所の設置は特別区化でより難しくなります。
児童虐待問題により取り組みたければこそ、特別区で大阪市廃止を言っていることは自己矛盾と言えます。
政令市は住民サービスを拡充するにおいて有利な制度であり、これを廃するメリットはありません。
政令市と特例・中核市などの国からの交付金の算出根拠となる基準財政需要額を比較しましょう。
政令市
大阪市 266万人特例・中核市
東大阪 50万人
豊中 39万人
枚方 49万人
吹田 35万人
豊中 39万人
高槻 35万人
八尾 27万人
茨木 27万人
岸和田 20万人
寝屋川 24万人計271万人
基準財政需要額
大阪市:5190億円
特例・中核市計:4580億円
このように、大阪市は政令市であるがゆえに、国からの補助金も多いですし、住民サービス拡充において利があります。
これを廃止で、中核市どころではない特別区に格下げすることは、住民サービス拡充にはたいへんなデメリットです。
児童虐待に真摯に取り組みたいのであればこそ、都構想は否定し、大阪市存続をすべきなのです。
その意味において、維新の主張は自己矛盾であると言えます。