維新は党是として、天下りの廃止をうたっている。
選挙でもいつも天下りの廃止を成果として連呼している。
しかしこれは現実には懇意の身内には天下りというべきようなことが行われてきており、維新毎度のダブルスタンダードである。
その中でも、今回決定的な維新の天下り事例が発覚した。
選挙管理委員会の幹部職員が大阪維新の会に天下りしているのである
●天下り根絶を自慢する維新の会
・政治的中立の確保
・退職管理の厳格化
・再就職者による職員に対する働きかけの禁止
…など誇らしく書かれている。
しかしこれは現実には懇意の身内には天下りというべきようなことが行われてきており、維新毎度のダブルスタンダードである。
その中でも、今回決定的な維新の天下り事例が発覚した。
選挙管理委員会の幹部職員が大阪維新の会に天下りしているのである
再就職状況の公表(平成28年度)
http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/3433/00224344/H28.8kohyo.xlsx
「知事部局等:元管理職」の項目で
川端龍彦氏というかたが、住宅まちづくり部管理課参事を平成27年3月31日に退職し、平成28年4月1日付けで、おおさか維新の会政党事務職員として天下りをしている。
これを普通に見てもさほど気にならないだろうが、これは隠蔽工作の疑いがある。
退職というものの、兼任の一部担当部署しか掲載されていないからである。
この川端氏、住宅まちづくり部というように公表資料ではなっているが、
政治絡みの人間にはおなじみの人物である。
川端氏は、大阪府選挙管理委員会の主査を長年務めてきた人物である。実務を担当するトップともいうべき人物で、とてつもない公職選挙法知識を熟知した人物である。
天下りを隠すため、住宅まちづくり部? 明らかに隠蔽しようと終盤だけ腰掛に人事異動したもののように思える。
それが分かるのは以下の27年4月1日付けの再任用の公表である。
http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/33906/00000000/hH270401saininyo.pdf
明らかにおかしな人事。
つまり川端龍彦氏は、平成27年4月1日に従来の選挙管理委員会事務局主査をそのまま再任されて続けている。
ところが、平成27年4月1日に住宅まちづくり部退職とはなんなのか?
これのからくりはこちらにあった。
平成28年3月31日人事発令
http;//www.pref.osaka.lg.jp/attach/33906/00000000/hH280331sainin.xlsx
平成28年3月31日に川端龍彦氏は選挙管理委員会事務局を退職している。
つまり、川端氏は、一時選管主査と住宅まちづくり課を掛け持ち兼任していたのである。
ところが、天下り公表規制のため府が公表する幹部職員の再就職資料では、「まちづくり課」だけを載せ
氏が選管の幹部職員であることを隠蔽している。
実際にはまちづくり部を離れたあとも、おおさか維新の会に天下りする28年4月直前まで選管事務局の主査であったことが資料からは分かる。
にも拘らず、それを天下りの情報公開には載せない。
このまちづくり部に謎に就いた人事は、これをやるための組織的な天下り隠蔽ではないのだろうか?
おまけですが、この調査の過程で、もう一件維新への天下り案件を発見したので付記しておく。
平成27年 4月 1日付(定期異動関係)
http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/33906/00000000/hH270401shinkisaiyo.pdf
平成27年3月31日退職、4月1日に前田弘之氏が維新の党へ天下り。
府民文化部、府政情報室参事(公報広聴課)から、維新の党の公報担当に移っている。
これも問題のある人事。
府政情報担当の幹部となると、つまり維新に寄りすぎてはいまいか?という批判もあった府政だより等の発信に関わっていた人物。
退職後も府公報部門に影響力及ぼし、維新の政策に有利なよう口利きなどがありえるので、
このような利害関係にあたる転職は、まさに典型的な悪しき天下りというべきもので、本来ならば監査委員が問題視せねばならない。
通話記録など調べ、維新の広報になった前田氏と府の職員の接触が無かったか調査すべきです。
維新の天下り温存には呆れかえる。
この再就職状況の公開を見て気付いただろうか?
「川 端 龍 彦」「前 田 弘 之」というように、わざわざスペースを間に入れて、検索に引っかからないように小細工をしる。
また他の資料でも「かわばたたつひこ」と謎にひらがな羅列にしているのも胡散臭い。
検索に引っかからないものだからこれまで気付かれてこなかったものと思われる。
しかし今回の統一地方選挙の候補者説明会に川端氏が来ていて、そこから今回の天下りが発覚した。
天下り廃止を声高に言っていた、維新そのものが主体として天下りを行っていたのである。
これは決定的な、維新が偽物の改革者である証拠であろう。
維新を改革者と思い込んで支持しているみなさんに訴えたい。
いいかげん目を覚ましてくれ!と。
●他にもまだまだあった天下り事例
●中原教育長のセガサミーへの天下り
従来からよく言われた身内の天下りは看過するという事例に、
パワハラ問題で引責辞任となった中原教育長がある。
氏は橋下の友人が公募校長に採用され、それが教育委員長にまでも就けることになったという事例。
しかし教育委員のメンバーを訴訟ちらつかせて恫喝するまでしていた実態がバレる。
第三者委員会の調査で酷い内容が露呈し、辞職を余儀なくされた。
しかし辞職、即パチンコ/カジノのセガサミーの理事に就くことに。
維新がカジノに猛進していることを思えば、維新と強いパイプを持つ中原氏が優遇されたのでは?との疑念はぬぐえない。
またこのとき、橋下や永藤英機府議はひたすらかばい、辞職やむなしとなっても、あくまで自主退職であり、退職金をせしめていることも注目しておきたい。
また、この調査報告によれば、中原は採決において、教育委員の全員賛成を演出しようと、反対意見の委員に圧力をかけたのであるが、その内容が
「知事に不利になる」「共産党に利する」などと極めて政治色の強いことを言っており、教育委員会の独立性という意味でも問題であるし
市職員の職場での政治活動に厳しい制限を課してきて、一方で維新にはこれかという欺瞞も指摘せねばならないだろう。
パワハラも確かに問題だが、中原は嘘の多数決全員賛成、異論無しを捏造し、知事や議会を欺こうとしたのである。
これはとてつもなく大問題であり、こんなものは即クビ、退職金払われるべきなのかとも思われる。
大阪府中原教育長パワハラ事件 「調査報告書」全文
http://www.fukokyo.org/dataroom/245
維新の永藤英機・府議による中原徹底擁護
https://ameblo.jp/takahira-masaaki/entry-12464134427.html
●藤本交通局長の外郭団体天下り
藤本交通局長とは、当時の橋下方針である地下鉄民営化、その請負人として民間採用(京阪より)で肝いり人事で就いた人物である。
しかし、大量の身内への随意契約の山が発覚。大問題に。
これも橋下や維新の会はクビにせず守り続け、結局任期最後まで就いて退職金を得た。さすがに批判の山に再契約はできなかったのだろう。
が、それもその後外郭団体に藤本氏は移り、これでは天下りではないかと。
余談であるが、維新の会の訴えてきている市営地下鉄の株式全部売り払っての完全民営化ですが
元ネタは、京阪の佐藤会頭だった当時の大阪商工会議所が市へ出してきた要望書である。
新線敷設は行政が出せ!
運営は民間に寄越せ!
…という極めて厚かましい内容になっています。
今の夢洲万博における、京阪の延伸、夢洲乗り入れや、JRなどの延伸にしても巨額の補助金を大阪市が払う方向で話が進んでいることは知っておきたい。(何故か国や府は負担せずもっぱら大阪市に)
●人事監査が機能していない
今回発覚した選管の主査が維新に天下りなんて話は、明らかに人事監査委員が止めないといけない事案である。
全く監査が機能していないのではあるまいか?
ここで話が繋がってくる。
松井一郎のゴリ押しで人事監査委員にねじこまれた有本香である。
有本香氏の大阪府人事監査委員に指名ははたして適切か
http://kyumin.net/proposal/arimoto_jinji_mondai/
こちらの過去記事にまとめてあるように、なぜか自称ジャーナリストの有本香が場違いに人事監査委員に就いているのであるが
これは選任理由を見ると、松井の一存でねじ込まれたのだという。
有本は松井と非常に近く、松井のデマを熱心に擁護するなど中立性に懸念があると考える。
松井一郎府知事の「退職金ゼロ」の真実
http://kyumin.net/proposal/matsui_taishokukin_jijitsu/
このような典型的な天下り事案を見逃す監査委員を報酬を払って雇う意味ははたしてあるのでしょうか?
●維新の昨今の選挙違反やグレーゾーン横行の原因か?
先日、あまりに多発する維新の会による選挙違反や、脱法的な行為ををまとめました。
維新の選挙における脱法行為やグレー行為が目に余る
http://kyumin.net/proposal/ishin_dappou/
あまりにひどい状況であるが、選管の主査、最も公選法に詳しいエキスパートである川端氏が職員で天下りして、法律に無知なわけがない。
つまり、彼らは意図的にこれら違反行為をやっているのであり、より悪質である。
これをやっても逮捕されない、罰則は無い、など十二分に理解したうえで、わざと狙って脱法行為を繰り返していると考えられよう。
ここまで悪質な手法を使うとなると、選管と川端氏との現在のパイプや影響力も懸念されるところである。
府議会には接触状況について調査するなど議会の力を示していただきたいが、先日の維新圧勝で維新の単独過半数が成っていることで、おそらく追及は進むまい。
なんとも困った状況である。
今回の記事は本来ならば、私が書くようなことではない。
ジャーナリストが報道すべきレベルの話かと思う。
この話きちんと報じてくれるか?注視しておきます。