今回の衆議院銀選挙では、大阪では維新躍進と言われ、全選挙区勝利すらありうると予測されています。
中でも激戦で競っている選挙区が大阪2区(阿倍野区、東住吉区、平野区、生野区)です。
ここで出ている非維新候補は、自民党は左藤章候補。立憲は尾辻かな子候補。
両者ともに、左右の立場から都構想の住民投票では特に尽力した議員といえます。
左藤章代議士は、一度目の住民投票でもがっつりした反対論理をまとめたBlog記事を公開しバズり、あの住民投票で一石を投じた人物であり、かの小泉郵政選挙でも反対貫き刺客送られ一時落選したほどの骨のあるかたです。
尾辻代議士は元府議でもあり、大阪の地方自治に明るく、そりゃあんな杜撰な設計の都構想、反対するというものです。
特に、今回維新は左藤章候補への怨恨が凄まじく、酷いデマでの攻撃が続いております。そのあたりを今回明らかにし、いかに難癖であるかを示したいと思います。
岸田新政権と反新自由主義
今回、岸田文雄総理は「新自由主義路線からの脱却」というのを訴え総裁選に勝利しました。
長らく続いた新自由主義路線は全く国民を豊かにはせず、大企業の内部留保を高め、国民の所得を低く抑えるばかりでありました。
日本は、諸外国が賃金上昇する中、一国だけ全く横ばいで止まっていました。
その間社会保障負担は上昇しているので、可処分所得としてはむしろ下がっている。
BS-TBS Bizスクエア 日・米・欧・韓における名目賃金の推移
このように日本における賃金は抑えられたままであった。
その大きな要因は、やはり日本における非正規労働者の過度な増大が原因であろう。
非正規労働者の内訳と推移
非正規労働者の割合推移(15~24歳)
非正規労働者の割合(35~44歳男性)
このように増えたことはなにも偶然ではなく、政治の規制緩和にある。
政策的結果なのである。
1986 派遣者派遣法 専門的13業種に限定、その後16業種から26業種に拡大
1999 全ての労働現場で労働者派遣を認める。適用除外業務に関しては別途定める(ネガティブリスト方式)
2004 新たに「物の製造業務」にも適用
2005 「物の製造業務」派遣期間が1年から3年に。
こうやって派遣労働を横行させてきたわけですが、その待遇はたいへん低く抑えられている。
年齢別の賃金カーブ(時給ベース)
非正社員に適用される制度
一般とパートの雇用者所得の内訳(18年)
これだけ非正規と正規で格差があり、また非正規がこうも比率増えれば、
平均雇用者報酬が統計上低くなるのは当然ですし
将来が見通せない以上、婚姻も出産も減り少子化が進むのが当然といえる。
さて、この日本の停滞に、岸田文雄は総裁選において「新自由主義路線からの脱却」「再分配の見直し」「日本型資本主義を作る」と訴え当選、新総裁となった。
つまり、市場任せ一辺倒では格差は広がるばかりというわけである。
ぜひ志を貫いて国民を救っていただきたい。
左藤章と反新自由主義
では左藤章とはどういう政治家なのか?
やはり記憶に残るのは、新自由主義改革として言われる小泉改革において目玉とされた郵政民営化に反対を貫き通し、
刺客を送られても曲げず、いったん落選までしてる骨のあるところであろう。
郵政民営化は、結局公的インフラの破壊ともいえ、外資にゆうちょの莫大な金を狙われるものではなかったか。
日本郵政、米アフラックに3000億円出資へ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38893880T11C18A2MM8000/
一方で、郵便事業はサービスを低下させられている。
土曜配達、10月に廃止 「翌日」は来年1月―日本郵便
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021040101334&g=eco
本来であれば、郵貯の財源をもって、全国津々浦々までの郵便ネットワークを公的インフラとして維持するということに正当性はあるのではないのだろうか。
別に郵貯の資金で無駄遣いをしろというのではない。社会インフラの維持は国民メリットであるという話だ。
また、その一方で、郵貯は民営化で儲け主義となり、不祥事が続いている。
かんぽの老人を言葉巧みの騙す、不正契約の横行がニュースになったことは記憶に新しい。
さらになんとも酷いことに、新自由主義の脱却、小泉改革の見直しをかかげる岸田政権ができる直前に、
財務省は保有する日本郵政株を売却決定。
政府 日本郵政株 約9500億円分を売却へ 政府出資比率は3分の1に
財務省によると、政府が持っている日本郵政の株式のうちおよそ10億2000万株を売却する。この売却で政府の出資比率は郵政民営化法で決められている3分の1まで下がる。
https://news.yahoo.co.jp/articles/35531275507c021af9fd95fa9b6ab56a8b3952e0
見直されることを恐れて駆け込み売却にしか見えず
実際株価の低迷もあり、売却額は目減りすることとなった。
本来ならば株価動向を見て売却するにしてもタイミングを見るべきであるはずが、おかしな話である。
結局付帯決議などが成ったことをもって一定の要求は通ったとし、左藤は自民党の公認を得て国政復帰したのであるが
このような人間であるということは、岸田政権による反新自由主義改革においてこれほど適した人材は居ないだろう。
今回の新政権でも、左藤は幹事長代理という党中央の要職に就いている。
新自由主義の権化ともいうべき維新にとっては、大変都合の悪い存在であることは誰にでも分かる。
思想的にも真逆であるし、岸田政権における党の要職ですから、岸田自民党と自民党大阪府連の強力なパイプ役でもあり
邪魔も邪魔なのであろう。党をあげて必死に攻撃を続けているのである。
しかし岸田の反新自由主義路線を達成するためにはなんとしても必要な人物ではなかろうか。
維新の会という新自由主義の権化
維新の会はネットでは「ネオリベ一番搾り」だの「ネオリベ、ネルドリップ製法」
だのと揶揄され、自民党以上に極端な新自由主義路線として知られます。
小泉改革の立役者として知られる竹中平蔵氏が、維新には深く関わってきており、
構図を知る人間からすれば維新がそういう思想であるのは常識である。
竹中平蔵氏は、大手人材派遣会社・パソナの会長でもある。
まさに「派遣労働横行」を守りたい側の人間である。
維新の初期公約を竹中平蔵が書いたものであるという話は
一時合流していた石原慎太郎が暴露しています。
維新・石原代表“原発ゼロ”公約知らず 最賃廃止知らない
石原代表は30日、自由報道協会主催の記者会見で、同党の衆院選公約に明記された解雇規制の緩和や最低賃金制の廃止について「知らない、なんて書いてあるの?」と述べ、公約内容を把握していないことを明らかにしました。
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-12-01/2012120104_04_1.html
石原氏は、記者からこれらの政策を実行すれば「貧困が底なしになる」と指摘されると、「それはまずいわね」と表明。石原氏はまた、「俺は竹中(平蔵慶応大学教授)って好きじゃないんだよ。あれが、こういうものを全部書いている」と内幕を明かしました。
竹中氏は貧困と格差を拡大させた小泉「改革」の中心人物。日本維新の会では衆院選候補者の選定委員長を務めています。
石原氏は、小泉改革と同様になるのではと問われると、「まったくそうですよ。あんまり竹中を信じるなと言っているんだ」と述べました。
選挙の候補者選びも竹中平蔵です。
維新の衆院選候補者選定、委員長に竹中平蔵氏
地域政党「大阪維新の会」幹事長の松井一郎大阪府知事は27日、新党「日本維新の会」が次期衆院選に擁立する候補者を選定するための「公募委員会」委員長に元総務相の竹中平蔵慶大教授を起用する方針を明らかにした。
https://www.nikkei.com/article/DGXNASHC2701D_X20C12A9EB1000/
つまり、小泉改革路線、すなわち竹中平蔵路線の直系こそが、維新の会と言えます。
維新支持者や維新候補による左藤への酷い難癖
●支持者による酷い捏造批判
こちらは画像まで作って左藤のネガキャンをそこかしこに撒いている悪質な維新支持者である。
前回の選挙公報に鉄道新線など早期に進めるために取り組むとあるが
これら件について「任期中の国会質疑でゼロ!」公約破りだというのである。
ちょっとレベルの低いバカな中傷すぎて呆れ果てます。
国会質疑が「取組」と?
与党自民党なのに、国会で質問してる暇ありゃ党内で陳情しに行きゃあいい話です。
馬鹿じゃないのか。
実際、この間、左藤章は自民党大阪府連の代表だったり、政調会長だったりして、都度都度国に要望を伝えている当事者。
情弱騙しの難癖も無い。
例えばこちらは左藤が政調会長として提出者として明記される要望書である
今般、大阪市会、大阪府議会において「2020年日本国際博覧会に寄与する淀川左岸線2期こをはじめとしたインフラ整備に関する意見書」がそれぞれ可決され、関係機関に送付されました。
新大阪駅と万博会場である夢洲を結ぶシャトルバスの時間短縮や定時制の確保など、万博来場者の快適なアクセスを図るため「淀川左岸線2期事業の前倒し」は必要不可欠であり、夢洲を中心とした臨海部における地下鉄中央線の延伸、道路改良等のインフラ整備につきましても、万博を契機とした大阪の一層の都市格の向上と飛躍的な発展につながる極めて重要な事業であります。
党本部におかれましても意見書の趣旨をお汲み取りいただき、「大阪・関西万博」の成功に向け力強いご支援を賜りますよう、お願い申し上げる次第であります。
こんな動きは日常茶飯に過去行ってきており、議会で党内で言えばいいこと取り上げる暇あれば、もっと取り上げるべき課題あるでしょ、と。
維新の大阪2区で出てた国会議員の質疑調べてみなさい。ほんとになんにもしてない。
ネガキャンするにもさすがに程度が低すぎます。
●維新候補までが程度の低い難癖
さらに左藤章が今回新自由主義の問題についてBlog記事を上げた。
旧来の「新自由主義」から新しい「日本型資本主義」へ
https://www.akira310.com/2021/10/1842/
内容的には「よくぞ言った」というものであり、岸田新政権で本気での新自由主義の転換を目指すのであれば、ぜひに重用していただきたい人材と言える。
しかしこれに維新の候補者である守島正が難癖で噛みついてき、それに呼応し、維新支持者が一斉に群がっている。
上記の無茶苦茶な議会質疑で文句付けている者もそこで目にしたものである。
印象操作。
日本の再分配後所得のジニ係数は2000年代になって減っているため分配機能は強化されている。
小泉以前の方が分配機能は弱かった。
※下参照
規制緩和を否定し、社会主義的政策に頼っても経済成長には繋がらず、分配の原資すら乏しくなる。
やはり、相容れない。
バカなのか
情弱騙しを狙っているのか
「印象操作」は守島正である。
「ジニ係数」とは人と人、個人間の格差の大小を示す指数。
なんで企業の内部留保が過去最大を記録し、一方個人の可処分所得はこの間減じてるという話で「再分配」という話をしてるところでジニ係数にという人-人の話に矮小化してるのか。
野村証券 用語解説集 ジニ係数(じにけいすう)
ジニ係数は、イタリアの統計学者コラド・ジニにより考案された所得などの分布の均等度合を示す指標で、国民経済計算等に用いられる。ジニ係数の値は0から1の間をとり、係数が0に近づくほど所得格差が小さく、1に近づくほど所得格差が拡大していることを示す。一般に0.5を超えると所得格差がかなり高い状態となり是正が必要となると言われている。
https://www.nomura.co.jp/terms/japan/si/A02571.html
ジニ係数は、世帯を所得の低い順に並べ、世帯数の累積比(横軸)と所得の累積比(縦軸)の関係性をグラフ化したローレンツ曲線を用いて求められ、所得が均等に配分されている状態を示す0(原点)を通る45度の直線(均等分布線)とローレンツ曲線との間に囲まれた部分の面積を2倍して算出する。
また、守島は2000年代とそれ以前を比較し、「ジニ係数が減じてるので再分配は強化された」などと言っているが
これは単にバブル期はジニ係数は高く出やすく、デフレ期は総貧困社会で低く出ると言うだけの話であり、「再分配が強化された!」なんて事実は無い。
大嘘も大嘘であり、何もかもが間違っている。
庶民をこんな詭弁で騙せると馬鹿にするのもいいかげんにしろ!というものである。
守島正は有権者を騙しにかかっている。
詐欺師、守島を選ぶか、新自由主義の転換を訴える左藤を選ぶか?
今回の大阪2区の選挙は、維新・守島を、自民・左藤がそれを僅差で追う展開という。
上記の通りであり、守島正によれば、現状再分配は進んできているというのである。これでは庶民への再分配は期待できまい。守島の言うような詭弁で「再分配はしてます」とか言われて庶民は低賃金を捨て置かれるでしょう。
左藤は、「新自由主義の毒」を知る政治家であり、岸田新総理の方針とも相まって、期待できる余地がある。
さあ、選挙区の皆さん、どちらを選びますか?
どちらの言うことを信じますか?
あなたの今後の賃金、あなたの今後の人生に直結する問題です。よーく考えて投票を行っていただきたく思う。