現在松井一郎候補は、盛んに児童相談所が特別区にすればできると喧伝しています。
現実には政令市と違い、特別区には児童相談所の設置義務が無く、税源も大きく失う状況でそれぞれ整備できるのかは未知数です。
むしろ大阪市は政令市としてどんどん児童相談所を増やしてきており、このままのほうが進む可能性すらあります。
さて、その新設の児童相談所計画で、不可解なことが起こってきている。
それは北部児童相談所設置の件である。
マスコミによくとりあげられた、マンションの建物の中に児童相談所を作るということで紛糾が起こっていた件です。
児童相談所を増やすことは重要ですが、実際に非行少年なども預かる施設なわけでして、従来のマンションを買って暮らす住民が不安感を持つのもまた致し方ない部分があるでしょう。
本来高齢者向けの施設が入っていた箇所であり、それありきで購入したかたにとっては寝耳に水ではあろうと思います。
また施設を利用する子供自身のプライバシーが守られる必要もあります。マンション住民と顔合わせたくない子も居るでしょう。
そもそも、わざわざここに作る必要性はあったのでしょうか?もっと適地は無かったのか?
実はより適地がありました。
それが既に閉鎖していた、市民活動センターよどがわの建物を流用する案です。
この施設は、隣に公園があり、中に学習室も備え、明らかに子供を預かることもある児童相談所としてふさわしい適地です。
ここをなぜ候補にしないのか?
大阪市北区の前田かずひこ市議(自民党)がこのあたりのおかしな大阪市の対応を暴いている。
以下は前田市議の市政報告より。
より酷い実態は前田市議の市政報告会に詳しく、必見です。
市政報告の該当部分の説明しているくだりの動画が以下です。
・タワーマンション内の児童相談所計画には入所する子供のプライバシー懸念など、構造的に難点があった
・また予定地は中央区の児童相談施設から2.5kmしか離れていず、北部圏における相談件数比からも適地だったかは疑問
・空いていた元「市民交流センターよどがわ」の施設は、学習室、体育館、隣に公園と最適とも言える施設であったのに候補とならず
・タワマン案と「市民交流センターよどがわ」案の比較は、片方は改修費、片方は新築費で計算しタワマン案が安上がりとされた
・ところが「市民交流センターよどがわ」を改修で計算したら、実はこちらのほうが3億円も安く上がることが判明
・しかし事実発覚後も頑なに「市民交流センターよどがわ」を児童相談所候補にすることを避ける吉村市政
この不可解な経緯は一体なんなのでしょう?
市民交流センターよどがわを無理やり高コストにみせかけ、よりコストかかりその他にも問題の多いタワーマンション内の空き施設に固執。
この後の経緯としては、
吉村市長は反対の声の大きいタワーマンション内に北部児童相談所を断念。しかし、その会見では「今後新たな場所を探し新設する。そのため数年設置は遅れる」と表明。
なぜ?市民交流センターよどがわを流用すればすぐにも児童相談所を作れるはずです。
数年の間に救われる事例もあるはずです。
この頑なに市民交流センターよどがわを無視する吉村市政は異様でした。
その後さらにどう決定されたかというと、
児童相談所を旧小学校分校に タワーマン内設置を断念 大阪市
https://www.sankei.com/west/news/170303/wst1703030066-n1.html
大阪市は3日、市北部に開設を計画している市内3カ所目の児童相談所「北部こども相談センター」について、東淀川区の旧市立西淡路小学校分校(約1900平方メートル)に建設する方針を決めた。同日の戦略会議で複数の候補地が挙がり、同分校が最適と判断した。平成32年度中の開設を目指す。
校舎は耐震基準を満たしていないため31年度から取り壊し、跡地にセンターを新築する。総工費は約14~15億円となる見込み。
なぜか吉村市長は今すぐに必要だと、タワーマンションでの児童相談所に固執していたはずなのに新築して3年後の完成にずれこむ案を提示します。
コスト的にもはるかに上になってしまっています。
「市民交流センターよどがわ案」5億円 > 「タワーマンション案」8億2700万円 > 「西淡路小学校分校跡地案」 > 14~15億円
いったいなんなのでしょうか?
この吉村市政の不可解な児童相談所新設経緯は過程が不透明すぎます。
本当に真摯に児童虐待問題に彼らは向き合ってるのでしょうか?
本気で考えていれば3年先にずれ込む案はありえません。
もと「市民活動センターよどがわ」はと言うと、その後解体され、土地は売却されてしまいました。
このような不可解な経緯の解明も新市長には期待したいところであります。