学校給食値上げは竹山が決めたと永藤。それもまた違うのでは?

昨日の、堺市の学校給食値上げの記事に対し、永藤英機市長から、「決めたのは竹山前市長」と反論がきました。

 

この永藤氏の言には疑問がわく。

まず「給食の価格設定など管理は教育委員会の決定がまずあるはず」であるから。
竹山がそもそも決める話ではなく、教育委員会がまず話し合って妥当な給食費を定めていく立場のはずである。

しかし堺市教育委員会の昨年と今年の議事録を見るも、全く給食費の値上げについて議論がなされていない。検索しても出てこない。

そんな中、この7月になってつい最近突如教育委員会から値上げ告知が発せられたようなのである。

 

 

こちらの給食業者のBlog記事に詳しい。

堺市教育委員会は、近年の食材価格高騰と2018年8月の「学校給食摂取基準」が改正されエネルギーやたんぱく質の基準値が増加し、更なる栄養量の確保が必要になったことを受け「給食の栄養価や食事内容の維持が困難となってきた」とし、2019年10月から、堺市立小学校の給食費を値上げすることを発表しました。

現在、堺市立小学校の給食費は月額 低学年(1・2年)で4,050円(1食:225円)、中学年(3・4年)で4,140円(1食:230円)、高学年(5・6年)で4,230円(1食:235円)。

2019年10月の改定以降は、いずれの学年も月額360円値上げし、低学年(1・2年)で4,410円(1食:245円)、中学年(3・4年)で4,500円(1食:250円)、高学年(5・6年)で4,590円(1食:255円)となる。

堺市教育委員会は「今後も引き続き、栄養量の確保とともに学校給食を活用した食育の推進を図るための措置なので、理解を求めたい」としています。

 

けど、この審議が一切堺市教育委員会の議事録には皆無。唐突にこの発表がなされているのは違和感が残る。

 

 

また、本来であれば給食費のこのような値上げは生活に負担かかるわけで、市議会の文教委員会でも揉まれるべき案件のように思う。
しかし一切堺市議会議事録を検索しても出てこないのである。

 

 

これ議会も教育委員会も議論していず、突如今月になって発表されたものでは?
教育委員会で議題に無い以上、公式に市長に提案も無いはずで、「竹山が決定」というのは違うのでは?

 

 

恐らく価格決定しているのは(公財)堺市学校給食協会 http://www.city-sakai-gk.jp/

 

 

公益財団法人堺市学校給食協会という組織があり、堺市の給食事業は一手に担っており、恐らくネットに非公開のこちらの内部会議でこの給食費アップは決められたのではないだろうか?

堺市学校給食協会に、堺市教育委員会は給食事業を一手に運営委託契約しており、
そのうえで、学校給食協会が学校との間で給食の売買をしているというわけである。

 

 

 

 

自治体により給食事業のありかたは違うようだが、ここで参考に群馬県の資料を見る。

 

給食費決定の流れ(群馬県)
https://www.pref.gunma.jp/contents/100050273.pdf

学校給食費は教育委員会や校長が決定するとし、ただし給食費を公会計で扱っている場合は、予算要求、予算成立が必要とのこと。

つまり給食を通常予算とは別で給食費徴収との関係で成り立たせてる場合は公会計関係無いが、公会計で給食費を出している場合は議会で予算通す必要があるのだ。

 

 

これで今回の構図どうも分かってきたのではないか?
堺市の給食費は(公財)堺市学校給食協会が堺市教育委員会から委託受ける形で回しており、予算は関係が無いので堺市議会での予算審議にも値上げの話が出てこない。
「市の予算決めたのは竹山市長時だ!だから給食値上げは竹山」というこの件への反論は恐らく間違いである。公会計関与しない話なのだ。

 

 

値段決定を(公財)堺市学校給食協会の定例の会議で決められており、今回の値上げについて堺市教育委員会はそのまま受け入れるのみで、公式に議論していない。

そういう構図が考えられる。

 

 

つまりだ、「竹山が決めた」は間違い。
決める権限はない。あくまで決定権は教育の政治独立により、教育委員会にある
以下の規則を見ていただければ、明確にこれが市長案件ではないことが分かる。

堺市学校給食管理運営規則
https://www.city.sakai.lg.jp/reiki/reiki_honbun/s000RG00000536.html

 

しかし当然モノは言えるし、補助を付けて値上げをなんとかすることもできるとは言える。
値上げを教育委員会として公表したのは今回はじめてであり、やはり「竹山が決めた」は無理があり、永藤市長こそ、今対応を考えるべき立場である。

 

人のせいになどせず、教育委員会の値上げ方針を受け、どうするのか?考える立場なのである。
なのに永藤市長は、前市長が決めたことだからとそのまま受け入れるようである(竹山決めてないけど)
堺市は財政余裕比較的ある自治体であるため、補助は考えられるのではないか。

 

さて、構図はおおよそ呑み込めたが、それはそれで問題のある手続きではないだろうか?
本来ならば、給食費の値上げという家計を直撃する話、「子供の貧困」問題もクローズアップされる大阪です、教育委員会で議論せねばならないのではないか?
他所の自治体なら給食費値上げなんて重要ごとなら、教育委員会で審議を尽くしている。
一切議事録に話題もなく、突如値上げ発表はどうなのか?

 

また公会計関係無いとはいっても、市民生活に直結しかねず、市議会の文教委員会でもやはり議事に上げねばならない話ではないか。
場合によっては公会計から支援なども必要かもしれない。

市長だって市民を預かる立場、当然意見があってしかるべきだし、判断があってよい。

竹山市長が値上げに同意していたというのは眉唾ではないか?市長は本来権限無い話のはず。

 

竹山市長の任期時期に、教育委員会なり学校給食協会が、値上げ方向性を非公式に決めた
…ということであろう。永藤の文面じゃあたかも竹山前市長がアップさせたかのように見えるが、恐らくそういうことではない。

 

 

あくまで権限者である教育委員会の値上げ決定発表はつい最近であり(しかも議論なく丸呑み?)、市長や議会が意見を表明し対応考えるのはこれからなのではないだろうか?

永藤市長ももちろん決まったこととしていい話とも思えないし、議会もチェックして意見すべき場面であろう。

 

 

永藤市長は平然とこの値上げを既に決まった当然のことのように受け入れた反応をしているが、
この行政手続きに問題を感じなかったのであろうか?
なんら教育委員会でも市議会でも議論なされず値上げという重大事がどんどん進んでいる違和感が非常にある。

 

 

永藤市長が対応考えるなら、それはまさに今。教育委員会の発表を受けて、のはず。
竹山ではなく、あなたに問われてる場面なんですよ、と言いたいところである。
そこへの見解は無いということが露呈したのではないか。